2017年度活動報告
2019年4月22日
2017年度事業報告書
● 事業の成果
視覚障害者及び一般市民に対して点字の普及・啓発活動を行うために2013年度から活動を開始した当協会の、2017年度の特筆すべき出来事として、凸面点字器の完成が挙げられます。3年にわたって開発に取り組んだ結果、日本の点字制定記念日の11月1日に「サイトワールド2017」の会場で新製品として発表することができました。この凸面点字器を普及するため、300個を購入し、当会会員の希望者に配ったほか、全国の視覚障害者情報提供施設に寄贈しました。また、当会ホームページ及び「点字毎日」の募集記事で寄贈の申込のあった先着100団体に寄贈しました。
そのほか、例年と同じくサイトワールドの会場で「11月1日 今日は、日本点字127歳の誕生日」と題して講演会と体験会を行ったほか、新宿NPO協働推進センターが主催する「新宿NPOセンターまつり2017」に参加して、主に小学生とその家族の方々に点字体験の場を提供しました。また、Lサイズ点字の普及については、機会あるごとに見本を会員その他に配って普及を行ったほか、引き続きLサイズ点字プリントサービスを行いました。
また、ホームページを維持して広く点字に関する情報提供を行ったことにより、一般の方々、点字サイン製作業者からの問い合わせを受けるようになり、それぞれに対応してよりよい点字の普及に努めるなど、大きな成果を挙げることができました。
2017年度末の会員の状況は、次のとおり。
個人正会員 38、団体正会員 6、個人賛助会員 9、団体賛助会員 2
会員は、1都1道2府19県に広がっています。
● 事業内容
1.視覚障害者への点字の普及に関する事業
① 凸面点字器開発・普及事業
島根県出雲市の樹脂加工業者と連携して凸面点字器の試作を進めた結果、完成することができました。製品を「トツテンくん」と名付け、11月1日(水)に「サイトワールド2017」でのイベントで発表したほか、300個を購入して会員等に寄贈して普及に努めました。
寄贈の内訳は以下のとおり。
視覚障害者情報提供施設 98
リハ関係施設 11
応募団体・関係者 120
(応募団体、全視情協常任理事、全視情協点訳委員会、 石川氏など)
会員 46
計 275
※ 残数25のうち、20は当会事業用、5は今後の関係者寄贈用
トツテンくん完成について、マスコミで採り上げられています。
1.点字毎日
2.点字ジャーナル
3.カトリック新聞
4.共同通信社
② Lサイズ点字普及事業
Lサイズ点字の普及を図り、視覚障害者が点字のサイズを選択できる環境を整えるため、機会あるごとに見本を配ってLサイズ点字の有用性をアピールしました。また、2015年度から開始したLサイズ点字プリントサービスを、団体正会員の「にじの会」協力の下に引き続き行い、27件・7286頁(3643枚)のプリントサービスを行うことができました。丸紅基金に助成申請したLサイズ点字プリンター購入は今年度も実現しませんでした。
2.一般社会への点字の普及・啓発に関する事業
① 一般向け点字学習用啓発資料作成事業
凸面点字器の完成に合わせて資料を作成するため、今年度は具体的な動きはありませんでした。ほかに、日本点字委員会の紹介により、(株)国土社発行「手で読む 心でさわる やさしい点字② 点字を書いてみよう」の執筆に取り組みました。
② ホームページによる点字普及事業
インターネットを通して点字の普及を図るため、ホームページを維持し、点字に関する資料の提供と、問い合わせに答えました。
③ イベントによる点字普及事業
・ 日本点字が制定された11月1日(水)に、「サイトワールド2017」の会場で点字の普及・啓発のイベント「11月1日 今日は、日本点字127歳の誕生日」を行い、点字に関する講演会(2題)、凸面点字器の完成披露、Lサイズ点字触読体験などを行いました。(入場者150人超)
講演会:
「点字で物を考えてきた人生」 講師 塩谷 靖子 氏(声楽家、エッセイスト)
「私と点字楽譜との付き合い方」講師 小島 怜 氏(ピアニスト)
・ 5月21日(日)、新宿NPO協働推進センターが主催する「NPOセンターまつり新宿2017」に参加し、点字の説明、点字の名刺作り、Lサイズ点字触読体験などを行いました。(入場者100人超)
④ 点字サインの点検
全国各地で表示されている点字サインが適切であるかを機会あるごとに点検しました。
3.その他この法人の目的達成のために必要な事業
会員が、全国各地で点字普及に取り組みました。