視覚障害者及び一般社会への点字の普及をめざす「特定非営利活動法人日本点字普及協会」

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活動報告

2018年度活動報告

● 事業の成果
 視覚障害者及び一般市民に対して点字の普及・啓発活動を行うために2013年度から活動を開始した当協会の、2018年度の特筆すべき出来事として、「中途視覚障害者に対する点字学習指導法研修会」を名古屋と仙台で開催したことが挙げられます。また、前年度完成した凸面点字器を使った点字体験の機会を増やし、初めて点字体験を行う人から好評を得ています。凸面点字器の販売を行う(有)読書工房によると、2019年3月31日までに4,236台の販売実績があったとのことです。
 ほかに、恒例となった、日本の点字制定記念日の11月1日に開催する「サイトワールド2018」会場での点字に関する講演会、新宿NPO協働推進センターが主催する「新宿NPOセンターまつり2018」での点字の名刺作り体験などを行い、点字の普及に努めました。
 また、ホームページを維持して広く点字に関する情報提供を行ったことにより、一般の方々、学校関係者、マスコミ、点字サイン製作業者からの問い合わせを受けるようになり、それぞれに対応してよりよい点字の普及に努めるなど、大きな成果を挙げることができました。
 2018年度末の会員の状況は、次のとおり。
 個人正会員 38、団体正会員 6、個人賛助会員 9、団体賛助会員 2
 会員は、1都1道2府19県に広がっています。

● 事業内容
1.視覚障害者への点字の普及に関する事業
① 中途視覚障害者に対する点字学習指導法研修会の開催
  凸面点字器完成を機に、Lサイズ点字と凸面点字器を活用して、中途視覚障害者に対する点字学習指導法研修会を2箇所で開催し、中途視覚障害者への点字の普及を図りました。
   (1)2018年7月14日(土)~15日(日) 
             名古屋ライトハウス盲人情報文化センター
             受講者17人、修了者16人
   (2)2018年11月24日(土)~25日(日)
     宮城県視覚障害者情報センター
     受講者23人、修了者23人
  講師  原田良實氏(当協会会員)

② 凸面点字器普及事業
    2017年度に完成した凸面点字器の普及を図り、中途視覚障害者が点字を学習する際の負担を軽減するとともに、小学生が短時間で点字の読み書きを体験し、商品や街中の点字サインを正確に読めるようにするため、加えて視覚障害者への正しい理解とサポートの方法を伝える取り組みを全国各地で行いました。

③ Lサイズ点字普及事業
  点字を触読できる視覚障害者を増やすため、引き続きLサイズ点字の普及を図るとともに、Lサイズ点字プリントサービス(実費徴収)を、団体正会員の「にじの会」協力のもとに実施しました。その結果、5団体と4人の個人からの依頼を受け、3,809枚(7,618ページ)のプリントサービスを行うことができました。特に、「中途視覚障害者に対する点字学習指導法研修会」修了者からの依頼があり、この事業が僅かずつ広がりをみせています。
  なお、丸紅基金へのLサイズ点字プリンター助成申請は今回も実現しませんでした。

2.一般社会への点字の普及・啓発に関する事業
① 一般向け点字学習用啓発資料作成事業
  親や教師が、子どもと楽しみながら気軽に点字を学ぶことができる「点字学習用啓発資料」を年度内に完成しました。これをホームページで公開することによって、凸面点字器による点字学習が広がり、点字学習のハードルが下がることが期待できます。

② ホームページによる点字普及事業
  インターネットを通して点字の普及を図るため、ホームページの運営を引き続き行いました。ホームページから問い合わせが寄せられるケースは、小学校での点字体験依頼、中途視覚障害者の家族から点字学習に関する問い合わせ、点字サイン業者からの問い合わせなど、件数も少しずつ増えています。

③ イベントによる点字普及事業
  11月1日(木)の日本点字制定記念日に、点字に関する講演会、凸面点字器の展示・体験コーナーなどのイベントを「サイトワールド2018」の会場で行い、引き続き点字の普及・啓発を図ったほか、新宿NPO協働推進センターが5月20日(日)に行った「NPOセンターまつり新宿2018」に参加して、地域の小学生等を対象に凸面点字器を使った点字名刺作り体験、Lサイズ点字触読体験などを行って、点字の普及を図りました。

④ 点字サインの点検
  全国各地で表示されている点字サインが適切であるかを機会あるごとに点検し、誤りを発見した際は改善を申し入れ、正しい点字サインの普及に努めました。2018年度は2件について指摘と改善の要望を行いました。

⑤ 全会員による全国各地での点字普及活動
   全会員が全国各地で機会あるごとに点字普及のための活動を行いました。特に、東京目黒区の上目黒小学校から依頼を受け、点字体験に3人(うち、会員2人)が訪問指導を行いました。

⑥ その他
  (株)国土社が発行した小学生向けの図書「手で読む 心でさわる やさしい点字」(全6巻)の校正、および第2巻「点字を書いてみよう」、第5巻「点字を必要とする人びと」の原稿執筆を会員が担当し、点字の普及・啓発に協力しました。

                        2018年度貸借対照表.pdf